できる?できない?選挙活動

選挙後、ニュース番組などでよく目にするのが「公職選挙法違反」に関する事件です。

公職選挙法に違反していることを認識して実行したというより、「このくらいなら大丈夫だろう」「永年やっている方法だから大丈夫」と自己判断をした結果、法律上は認められない行為であったということも多いのではないでしょうか。

選挙運動中期間は、有権者だけではなく、他の候補者支援者(相手陣営)も立候補者の運動内容を注視しています。

公職選挙法の判断に迷った場合には、その可否を確実にアドバイスしてくれる人が近くにいると安心です。

選挙活動とは?

判例・実例によれば、選挙運動とは、「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。

選挙運動はいつできる?

選挙運動は、公示日(告示日)に立候補の届け出をしてから投票日の前日までに限りすることができます(公職選挙法第129条)。
それ以外の期間、たとえば、立候補届出前にする選挙運動は事前運動として禁止されています。

違反した者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第239条第1項第1号)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。

選挙活動できない人は?

未成年者

未成年者(年齢満18歳未満の者)は、選挙運動をすることができません(公職選挙法第137条の2)。

違反した者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第239条第1項第1号)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。

候補者を直接的に応援するような「選挙運動」だけでなく、SNS上でコメントしたりリツイートするだけでも「選挙運動」に該当するので注意が必要です。

  • 選挙事務関係者(投票管理者等)(公職選挙法第135条)
  • 特定公務員(裁判官、検察官、警察官等)(公職選挙法第136条)
  • 選挙犯罪等により選挙権及び被選挙権を有しない者(公職選挙法第137条の3)

候補者が行える選挙運動とは?

公職選挙法により認められた候補者が行う選挙運動は、ポスター等の印刷物である「文書・図画」や演説会等の「言論」などによって行われますが、その方法の主なものは次のとおりです。

ただし、選挙の種類により、その方法、あるいは数量や規格などが異なるものがあります。事前説明会で配布される資料をご確認下さい。

候補者が配っても良い「文書・図画」とは?

候補者のできる文書・図画による選挙運動は次のものに限られ、しかも、規格、数量、使用方法などの制限があります。

選挙運動用通常葉書

郵便局による「選挙用」の表示が必要。選挙の種類により制限枚数が異なる。

選挙運動用ビラ

国政選挙及び首長選挙にいて頒布可能。ただし証紙を貼る必要がある。

選挙事務所の看板類

ちょうちん1個及び立札・看板の類を通じて3個まで。規格の制限がある。

選挙運動用自動車

ちょうちん1個及び立札・看板の類を通じて3個まで。規格の制限がある。

選挙運動用自動車

ちょうちんは1個。ポスター、立札及び看板の類は、数の制限はないが、規格の制限がある

候補者が着用するもの

胸章、腕章及びたすきの使用ができる。候補者が着用する限り数、規格の制限はない。

選挙運動用ポスター

一部の選挙を除き公営ポスター掲示場に掲示。枚数、規格、掲示方法の制限がある。

個人演説会告知用ポスター

衆院小選挙区、参院選挙区及び知事選挙のみ掲示できる。
演説会の日時・場所を必ず記載し、掲示は公営のポスター掲示場に限る。

文書を配ってはいけない?いわゆる「文書違反」とは?

選挙運動のために使用する文書図画は、インターネット等を利用する方法により頒布する場合を除き、公職選挙法第142条に規定された一定のもののほかは、頒布することができません。
したがって、ウェブサイト等に掲載され、又は電子メールにより送信された文書図画であっても、それを紙に印刷して頒布することはできません。
違反した者は、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第243条第1項第3号)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。

文書図画とは?

公職選挙法における文書図画とは、文字若しくはこれに代わるべき符号又は象形を用いて物体の上に多少永続的に記載された意識の表示をいい、その記載が象形による場合を図画といい、文字又はこれに代わるべき符号による場合を文書というものとされています。判例上、コンピュータのディスプレイ上に現れた文字等の表示も、公職選挙法上「文書図画」と解されています。

候補者が行っても良い「言論」による選挙運動とは?

言論による選挙運動として、主に次のような選挙運動が認められていますが、方法、時間などに制限があります。

個人演説会

政見の発表や投票依頼のため有権者を参集させ、候補者個人が自ら開催する演説会。開催回数は自由。会場外の立札看板類の数の制限がある。

街頭演説

午前8時から午後8時まで。選管交付の標旗を掲出し、選挙運動従事者は腕章を着用。走行・歩行演説は禁止。公共施設、鉄道敷地内、病院などでは演説できない。

連呼行為

午前8時から午後8時まで。選挙運動用自動車の上、街頭演説及び演説会場の場所に限る。学校や病院などの周辺は静穏を保持。

選挙運動用自動車の使用

選挙の種類により使用台数に制限がある。選管が交付す表示物を必ず掲示する。

選挙の種類により使用台数に制限がある。選管が交付す表示物を必ず掲示する。

やってはいけない選挙運動とは?

次のような選挙運動は禁止されています。

買収

選挙犯罪のうちではもっとも悪質なものであり、法律できびしい罰則が定められています。候補者はもちろん、選挙運動の責任者などが処罰された場合は当選が無効になることもあります。

投票を求めて金銭を渡す場合だけでなく、選挙運動員に報酬を払うことも買収になるので注意しましょう(運動員買収)。

戸別訪問

何人も、特定の候補者に投票してもらうことを目的に、住居や会社、商店などを戸別に訪問してはいけません。また、特定の候補者名や政党名あるいは演説会の開催について言い歩くこともできません。

あいさつを目的とする有料広告

候補者や後援団体(特定の候補者を推薦し支持する団体)は、選挙区内にある者に対し、時候、慶弔や激励などのあいさつを目的とする広告を有料で新聞、雑誌に掲載したり、テレビやラジオで放送したりしてはいけません。

飲食物の提供

何人も、選挙運動に関して飲食物を提供してはいけません。
ただし、お茶や通常用いられる程度のお茶菓子や果物は除かれています。
また、選挙運動員に渡す一定の数の弁当は提供することができます。

署名運動

何人も、特定の候補者に投票をするように、あるいは投票しないようにすることを目的として選挙人に対し署名を集めてはいけません。

気勢を張る行為

誰であっても、選挙運動のため人目を引こうと自動車を連ねたり隊列を組んで往来したりしてはいけません。

人気投票の公表禁止

公職につくべき者を予想する人気投票の経過、又は結果を公表することは禁止です。

選挙後の挨拶行為

選挙後に当選祝賀会その他の集会を開催すること。

自由にできる選挙活動とは?

次のような選挙運動は誰でも自由に行うことができます

  • 電話により投票を依頼すること。
  • たまたま会った人に個々面接により投票を依頼すること。
  • 会社や工場などの休み時間等に、たまたまそこに集まっている人を対象に演説すること。

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